中川一郎 1980年 絶対零度でベースを弾いていた頃のこと
私こと、中川一郎が、絶対零度でベースを弾いていた頃。それは1979年9月から1981年1月までの本の15か月のことでありました。
当時、よくライブをしていた吉祥寺マイナーで、突き付けられていると感じていた同時代からのメッセージ。それは「振り返るな。今、ここだけの衝動。今、ここだけの必然性。それだけだ。ただそれだけなのだ」というものでありました。
中川が絶対零度に参加したのは1979年の9月のことでした。高校の同級生の笹山くんに電話をもらい、上智大学のニューウェーブ・ロック研究会のメンバーで発足したバンドでベース弾かないかと。
ベースはそれまで弾いたことがなかったのですが、そのバンドがパンク・ニューウェーブのバンドだというので、それなら大丈夫そうだから弾いてみるかと・・
大井町のリハスタに初めて行って・・みたいなところから、はじまりました。その時は、まだ、木村君はいなくて。二回目か三回目に木村君がドラマーとして入ってみたいな。
中川にとって、絶対零度に参加して初めて弾いたベースですが、リズム、ビートというところは木村君のドラムスが神技な感じでしっかりしていたこともあり、中川は、奔放に、無邪気に、思いつくままに、その時その時のバンドの必然性を体現するような感じで弾いてました。
だから、まっとうなベーシストとしての作法や文法は知らないままで弾いていました。それが、その時代のパンク、ニューウェーブの在り方だろうみたいなことを感じながら。
最初のステージは、確か11月の上智大学の学園祭で、そのすぐ後くらいに吉祥寺マイナーでライブがあって。1979年の年内は吉祥寺マイナーで何度かライブがあったような。
白石民夫さんに誘っていただき、1980年1月の「剰余価値分解工場」。それから、バンドとしての体制も整って、ライブも本格化したのが1980年の3月のロフトでのINUとの対バンから。
そんな中、中川はその時その時の雰囲気、空気、ノリ、勢い。そのことだけに反応して、奔放にベースを弾いていただけだったように思います。その勢いで初夏のレコーディングにまで向かっていくわけですが、5月のスタジオ・マグネットでのライブは、その途上であったと。
紆余曲折を経て、この音源を40年を経て聴いてみたとき、「雰囲気、空気、ノリ、勢い」が感覚として蘇ったのでありました。ベーシストとしての中川は15か月の短命でありましたが、このライブはその中間点でという時期にあたります。
1曲め
「入れてロック」と呼ばれていたように思います。中川が絶対零度に参加しはじめた、1979年の秋の頃にもこの録音の姿に近い感じにはなってたように思います。上智大学の学園祭、その次に吉祥寺マイナーでしたっけ。そのあたりでやったような。 「頭の中は空っぽで、俺とお前は関係ない」という歌のフレーズの後にベースの間奏みたいのを好き放題に弾いてますね。
2曲め
これは「ムカデ」と呼ばれていたように思います。
この日の演奏は、6月のジャンクコネクションのレコーディングの演奏内容にかなり近いなと。笹山のギターのカッティングが、ツッチャ、ツッチャとスカ風な感じになって。ベースもそれに合わせて変えたように思います。
3曲め
「ブンブン」と呼ばれていたように思います。
ブンブンというのは、確か大熊さんのギターが、トレモロアームでブンブンという音を出してたから。練馬のスタジオの時に笹山が、「ツイストアンドシャウト」のギターフレーズを考えながら来たんだって、これ弾き始めて、べーのフレーズもそこで合わせてできたような気がする。
4曲め
「佇立」という曲でした。1979年の秋に初めて、絶対零度のスタジオ練習に入ったときに「棚からぼた餅」と呼ばれて、すでに存在していたような。79年の11月あたりにこの曲だけ中川がギター弾かせてもらえることになって、個人的にはBig Brother and Holding Companyの「Ball and Chain」のギターに思いを及ばせながら弾いていたのかなと思います。ベースは笹山君で。それで、この日のライブでは大熊さんがユニークなギターを動きながら、踊りながら弾いていました。
5曲め
79年の12月あたりにスタジオで、木村、笹山、中川の三人で何となく自然発生的に演奏の骨格ができて。それで「暗黒街の三人」と呼ばれていたでしょうか。80年1月からは欠かさずライブで演奏していたように思います。
6曲目
「亀裂」と呼ばれていました。79年秋からライブを始動した絶対零度で必ずやる一曲でありました。代表的な一曲です。うろ覚えですが、中川が79年9月に初めてスタジオに行ったときにもこの曲はすでにあったように思います。そして、ジャンクコネクションからのレコードでもリリースされました。 このレコーディングは5月のライブの1か月後あたりとなりますが、レコーディングした時の姿に近くなっているかと思います。
注 今回のCD化にあたり、曲名は作詞の波止康雄さんに確認していただきました。5曲めは、「闇と」となっています。
以上
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